引っ越しでお部屋を退去するときには、管理人もしくは大家さんにお部屋の状況をチェックされます。
退去時のお部屋の状態によって返される敷金は大きく変わることを知っていますか?
お部屋の入居時に預けた敷金は、退去時にできるだけ多く取り戻したいものですよね・・・
敷金返還の時は、部屋の退去時に借主と貸主の間でもっともおきやすいトラブルの1つなのです。ですので、引っ越し前に敷金返還の仕組みをしっかりと理解し、敷金を全額取り戻せるようにしていくことが大切です。
ここでは、退去時の敷金返還の仕組みやポイントについて説明して行きます。
Contents
敷金と礼金とは?
まず敷金と礼金とは一体どういうものなのかを簡単に説明しますと、
敷金→家賃などの債務の担保として預けておく、保険金のような意味を持つお金のことです。敷金は、退去時まで預けておくものなので、引っ越し前のお部屋の状態によっては全額(もしくは一部の額)戻ってきます!
礼金→お部屋を貸してくれる大家さんに感謝の気持ちを込めて渡されるお金のことです。礼金は、引っ越し退去時に返ってくることはありません。
賃貸によっては、入居時に敷金と礼金を支払うことがない物件もあります。ただ基本的には入居時に敷金と礼金を大家さんに支払います。
礼金は、大家さんに支払うものですので、一度支払うとお金が返ってくることはありません。
敷金は「家賃が支払われなくなった」などの何らかの理由があった場合に、預けている敷金から補填したり、退去時の部屋状況によってクリーニング代に当てられる可能性のあるお金です。

引っ越し退去時にはできるだけ多くの敷金を取り戻せるように努力することが大切ですね。
敷金返還されるために重要なのは「原状回復」
敷金返還されるための最大なポイントは、明け渡すお部屋の原状回復をすることです。
原状回復とは、元の状態に戻すという意味です。要するに、明け渡すお部屋を入居時と同じぐらいに綺麗に戻すことを示します(^-^)
敷金は、基本的にほとんどが退去後のお部屋のクリーニングに当てられます。お部屋が入居時のように綺麗な状態だと、敷金を使用しなくても良いというわけです。
すると、預けていた敷金はお部屋の退去後にあなたの元へ返ってきます!
「えええ!敷金が戻ってくるの?ラッキー♪」と思った方もいますよね(^ ^)
ただし、ここで注意点があります・・・
それは、例えばあなたのお部屋の状態として、壁や床がボロボロだったり、水回りが水アカやカビでかなり汚れている場合には、汚れている部分の掃除代を敷金で賄うため、その分預けていた敷金は返ってくることがありません・・・(ガーン)

部屋の原状回復とはいえ、貸主(大家さん)が負担するべき項目と借主(あなた)が負担するべき項目は変わってきます。
あなたが負担するべき項目を全て満たしていると、敷金は確実に取り戻すことができます!
それぞれの負担項目は以下の表を参考にしてくださいねっ!
貸主(大家さん)負担
- フローリングのワックス
- 雨漏りなどで発生したフローリングの色落ち
- 家具設置時の床・カーペットのへこみ
- 床・カーペットの家具の設置跡
- 壁の画鋲・ピンなどの穴(下地ボートの貼り替えが必要ない程度のもの)
参考:引越し侍「https://hikkoshizamurai.jp/useful/cleaning/」
借主(入居者)負担
- 入居者の不注意で雨が吹き込んだことによるフローリングの色落ち
- キャスター付きイス等によるフローリングのキズ・へこみ
- カーペットに飲み物をこぼしたことによるシミ・カビ
- 冷蔵庫下のカビ垢
- 壁などのクギ穴・ネジ穴(下地ボートの貼り替えが必要ない程度のもの)
- タバコのヤニで部屋全体のクロスが変色し臭いが染み付いた場合
- 台所の油汚れ
- 飼育ペットなどによる床や壁のキズ・臭い
- 水回りのカビ・水アカ
参考:引越し侍「https://hikkoshizamurai.jp/useful/cleaning/」
敷金が全額返してもらうための掃除ポイント
お部屋の掃除箇所ごとのポイントを押さえることで敷金を全額取り戻すことができます。
以下では、部屋の箇所ごとに注意するべきポイントをまとめています。引っ越し前の掃除をする時の参考にしてみてくださいね。
キッチン

キッチン周りは普段から自炊をする人にとっては、定期的に掃除をしないと水アカや油汚れが目立ってしまう箇所ですよね。
私も仕事帰りは節約のために結構料理をしていますが、やっぱり週に2回ぐらいは定期的にキッチンの掃除をします。水アカや油汚れは放っておくと、後から綺麗にするのがかなりしんどいです。
汚れの目立つキッチン周りは、お部屋の退去までに綺麗にしておかないと、クリーニング代として敷金が取られてしまいます・・・
ですので、シンク周りやコンロ周り、掃除を怠りがちな換気扇などは、事前にしっかりと掃除おくように。
掃除箇所 |
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浴室・トイレ

浴室・トイレはキッチンに並んで、汚れが目立つ箇所です。
水回りは、カビが繁殖しやすく水アカの汚れも目立ちます。
引っ越しまでに頻繁に掃除をしている人であれば、退去時も軽く掃除をして完了で良いですが、掃除が苦手な人にとっては、カビや水アカを見るだけで嫌気がさしますよね・・・
浴室やトイレ周りの汚れは、しっかりと綺麗にすることで敷金も取り戻すことが可能です。
汚れが目立つ箇所は掃除が大変ではありますが、敷金を返してもらうために、掃除を徹底するようにしてくださいね♪
掃除箇所 |
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壁・床(フローリング・畳・カーペット)

壁や床は、他の箇所とは違い、面積が大きいため、汚れやキズなどが目立ちやすいです。
退去時に壁や床が汚れていると、そのぶん敷金がかかってしまいます。ですので、壁や床にシミ・キズが付いている場合は、ホームセンターから専用の修整剤を買い、できるだけ元の状態に戻すようにしてください。
壁についた穴なども、専用のキッドを使用することで、簡単に穴を埋めることができます。
壁や床も汚れやキズがないか再度確かめてみるようにしてください。
掃除箇所 |
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窓ガラス

窓ガラスは、簡単な掃除で綺麗に汚れを取り除くことができます。
基本的に窓ガラスにつく汚れというのは、手垢や水アカ、土ぼこりの汚れなどです。
このような汚れは、水で濡らした新聞紙をくしゃくしゃに丸めて窓を掃除したり、ガラス専用のクリーナーとタオルで掃除することで取り除くことができます。
窓ガラスの汚れも敷金返還にも大きく関係する箇所ですので、掃除は忘れずにするようにしてください。
掃除箇所 |
窓ガラスの汚れ(土ぼこり・アカ) |
玄関・ベランダ

玄関やベランダも、汚れがあるかないかで敷金に関わってきます。
玄関・ベランダ周りは、外出から帰ってきたときのホコリや泥、土などが目立つ箇所です。掃除方法も、ほうきとちりとり、また雑巾を使用することで基本的な掃除だけで綺麗になります。
玄関周り・ベランダもうっかり掃除を忘れてしまいやすい箇所でもあるため、一番最後の掃除で行うようにしてくださいね(^-^)
掃除箇所 |
玄関・ベランダの汚れ(土ぼこり |
敷金返還が難しいケース
引っ越し退去時に敷金の全額返還が難しい場合もあります。
以下の項目に当てはまる場合には、お部屋のクリーニング費用として、大家さんに敷金を取られてしまう対象になるため、注意が必要です。
なお、以下の項目の中で自分自身で掃除できそうな箇所は、できるだけ自分で綺麗にしておくようにしてください。
キッチン
- キッチンの油汚れ
浴室・トイレ
- 浴室の頑固なカビ・水アカが目立つ
- トイレの頑固なカビが目立つ
床(フローリング・畳・カーペット)
- 自分で家具移動時の床のキズ(フローリング・畳)
- 自分で家具を移動したときのフローリングのへこみ
- タバコの焦げ跡
- ペットの爪による床のキズ
天井
- キッチン上の天井の油汚れ
- タバコによる変色
- 釘などでできた穴
壁
- ペットによるキズ
- タバコによる変色
- 壁紙の剥がれ
- 釘などでできた穴
- 壁の汚れが目立つ
その他
- 窓ガラスなどの割れ
- ドアの破損・へこみ
- 障子などの破れ
- 鍵の紛失
敷金返還のトラブルを回避するための3つの手順する
敷金をしっかりと返還してもらうためには、掃除を終えたあとに行うべき手順があります。
確実に敷金を取り返すためにも、以下で説明する手順を理解しておくようにしてください。
以下の項目を理解し、敷金トラブルを回避しましょう。
国土交通省のガイドラインに書かれている内容を徹底する
引っ越し退去前の掃除を終えたあとは、確認のため国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」に書かれている内容を読むようにしてください。
ガイドラインをあらかじめ知っておくことで、仮に管理会社や大家さんに敷金について不正な請求をされても、トラブルを回避することができます。
敷金請求をめぐるトラブルは年々多くなっていますので、自分で回避するための対策はとても重要です。
ですので、国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」をしっかりと理解しておくことが大切です。
国土交通省:「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」
敷金診断士に依頼をする
敷金をめぐるトラブルを回避するためには、敷金のトラブルに強い「敷金診断士」に相談・依頼することが大切です。
敷金診断士とは、敷金関係のトラブルや問題の専門家で、様々な敷金問題をしっかりと解決してくれる心強い味方です。敷金の専門家なので、正確な敷金返還をしてくれます。
敷金診断士に査定を行ってもらうと「管理会社よりも、高い金額の敷金を返してもらうこと」ができます!!
ですので、管理会社だけに明け渡しの部屋をチェックさせるよりも、このような専門家に査定の依頼した方が確実な敷金返還をしてもらえます。
また、敷金診断士は、お部屋の査定後に「診断書」を作成してくれます。もらった作成書は、管理会社(大家さん)に直接見せるようにしてください。
管理会社ではなく、大家さん(貸主)に直接連絡
また、敷金診断士に依頼するのが面倒な人は、部屋の明け渡し時の査定を管理会社ではなく大家さんにしてもらうことをオススメします。
なぜかというと、管理会社は大家さんに連絡することなく、敷金を多めにとっていることが多いからです。
このような管理会社の怠慢はよくある話ですので、管理会社の査定はあんまり信用してはいけません・・・
このような現状は、すべての管理会社に当てはまることではなく、一部にある話のため、必ずしも管理会社に敷金を多めに取られるというわけではありません。
大家さんに連絡するときは、入居時にもらった契約書をチェックすることで、大家さんの連絡先を知ることができます。 もしも、退去時の敷金返済額に納得がいかない場合には、請求種にサインをしないようにして下さい。 サインをしてしまうと、この請求に納得したことになります。ですので、まずは、一旦国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」をしっかりと確認し、請求についてしっかりとチュックしてみることが大切です。 確認をした上で、やはり疑問や納得のいかない問題が生じた場合は、問題点を管理会社もしくは大家さんに連絡し、話してみるようにしてください。 それでも、貸主側が全く話を聞いてくれないようであれば、少額訴訟で敷金を返還してもらうこともできます。 敷金返還であなたが損をしないように、問題点は必ず解決するようにしてくださいね。 いかがでしたか? 敷金を返還してもらうには、退去時までに部屋を原状回復することが大切です。敷金の返還には「貸主負担の表」で説明した項目は全て満たすことが条件です。 私も、引っ越し退去時には原状回復まで、部屋を綺麗にし敷金全額返してもらったことは何度もあります。 あらかじめ貸主に預けた敷金はできるだけ全額取り戻せるようにしましょう。 また、退去時に納得のいかない費用を請求された場合は、請求書にサインをせず、国土交通省のガイドラインをもう一度読み直し、直接管理会社や大家さんに連絡することがとても大切です。 引っ越しで、敷金返還されるように頑張りってくださいね(^-^)納得のいかない金額を請求されたら
まとめ